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アンダーグラウンド第三章

アンダーグラウンド3-7-33

アンダーグラウンド 第3章-7-33

助けてくれと呼ぶ声の主の前に立ち様子を伺う秀樹の目は冷たい。
男は少し出血してる腹を左手で抑えながら
「お願いだ私をここから救ってくれないか?」
と懇願してきた。

…こいつは何を言っているんだ?

それが秀樹が思った第一印象だった。
男の格好はスーツで年齢は四十代前半といったところか。
細めな体躯と傷ついた姿は死に損ないにしか見えない。
秀樹は無言のまま銃を男の前に突き出した。

「ま…待ってくれ…。こ…殺さないでくれ」
男はビクビクと体を震わせ助けを請う。
その姿をどこかで見たような気がした。
ああ こいつは上層あたりでうろついてた人間と同じだ…と。

「わ…私はフィクサーに頼まれてここに用事があり呼び出されたんだ。
用事が終わり上層へ帰ろうと思ったところ襲われたんだ。」

はっきり言おう。この男はバカではないかと…。
秀樹は男の発言を聞くたびに疑問どころか不快感に襲われた。
その見え見えの芝居が滑稽すぎて笑みを浮かべてしまう。
よくそれで今まで生きてこれたな。
中層へはスカウトの同行が必須だと聞いたが
どこのスカウトがこの男を連れてきたのだろうか?
スカウトが何人いるかわからないがどうやら実力重視といった具合でもなさそうだ。
バレバレの芝居に男はまるでそれが誰にもバレてないかのように悠々と語る。

「ああ 私はもうこんな場所に来たくない。お願いです。出口まで連れて行ってください。」
弱々しい声で男はまだこのような演技をする。
思わず秀樹も演技に便乗して
「それは大変だな。オレがつれていってやるよ」
と悪ふざけをした。アングラ中層の第一戦がこのような男との遭遇とはついてない。
「まだ歩けるだろ?ついてきな。」
オレは上層に上ることはできないことを知っているがあえて知ったように言い男に背を向けた。
それと同時に男はシメタと顔に笑みを浮かべ隠し持っていたサバイバルナイフを取り出し秀樹に襲い掛かった。
ここまでわかりやすい殺気は久しぶりに感じた。
それと同時に自分が今までコレと同じような感じだったのだと少し反省した。

「ふはは バカめ 死ね」
右手に握ったナイフを秀樹に向かって振りかざすと同時に
秀樹は振り返り銃口は男の両足に連発した。

男は何故ばれた?と言わん顔をしながら地面へとへばりついた。
「うぎゃーーーー。なぜばれたんだ 私の演技は完璧なはず…」
ここまでマヌケな人間はそうはいない。
男を見下し深いため息をついた。

「…お前 いつから中層に来たんだ?」
「ふーふー い…一ヶ月前…だ。わ…私の演技が認められここに来た…。」

色々と突っ込みたくなったが何もかもバカバカしい。
殺す価値のない人間というものに初めて出会った感じがする。

「よく…今まで生き残ってこれた…な」
ここに来てから初めて哀れんでしまった。
「ふ…ふはは お前がお前が始めてだ 私の演技を見破ったのは…さぁ殺せ。それがここでのルールなんだろう?」
男は傷を抑えながら急に叫びはじめた。
それと反比例するかのように冷めていくのがわかる。

なぜこの男が生き残ったのかがわかった。本当に殺す気が失せる。
そしてこの男に殺されたであろう者が哀れに感じる。
秀樹は男の持つサバイバルナイフを取り上げ
「いや…他の奴に殺されてくれ…。俺にはお前を殺せない。」
せっかくの緊張感と期待感を込め覚悟をして挑んだ中層デビューの一勝目がこの男だと思うことは個人的に無理だ。

がっかりとしながら秀樹は男から振り返り別の獲物を狙おうと思ったときに殺気を感じた。
とっさに反応をし左横の茂みへと飛び込み周囲を見回す。
同時に銃弾が男の胸へと打ち込まれた。

男は断末魔をあげることもなく息を引き取る。
飛んできた弾の先には一人の男がケラケラと笑いながらこっちに向かってくる。

「あちゃー 役者 殺しちゃったよ。
せっかくのおもちゃだったのになぁ。」

声の先に視線を送るとまだ少年といった風貌の男が向かってきている。
サバイバルスーツを着用し まるでここにはサバイバルゲームをしに来ましたといったような十代前半の感じだ。

「…子供?」

どうやらこの世界には年齢制限というものはないらしい。
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©<コウ>_2018.(RSS/管理/提供:AL2)
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