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永遠の唄

永遠の唄17

その後は特にマジメな話題もなく
お互いたわいのない話をしながら時間が過ぎていった
マスターに挨拶をして店を後にして駅のほうまで二人で歩いて行く途中
人が集まっているところがあった

「あ ストリートだ」
覗いてみるとギターを持った若者がコピー曲を歌っていた

まだ二十歳前後の若者が楽しそうに熱唱してる姿があって
大人数じゃないけど若い子がワーワーと騒いでいて
なんか懐かしい感じがした

「陽君もあんな感じでストリートライブやってたの?」
「やってたなぁ あの頃はとにかく歌いたくてね
まぁ自分の場合 オリジナルでほとんどやってたけどね」
「オリジナルってのがすごいね 自分で作詞作曲やってたってことでしょ?」
「まぁ そうなんだけど上手くはなかったよ」
「いやいや それだけでも凄いよ」

などと話していると少し離れたところにもう一人若者が座っていた
少し近づき声をかけてみた
「どうしたの?」

ギターに悪戦苦闘してるようで少し間をおいたあと顔を上げ
「いや なんか音がおかしくてチューニングしてるんだけどなかなか」

オレは何故かとっさに「ちょっと貸して」としゃしゃりでてしまった
「大丈夫 オレも少し音楽やってたからさ」
彼は素直にギターを渡してくれた

「ああ なるほどね ここの音あわせって難しいよね」
何故ギターを持ってしまったのだろうか
マナに影響されてしまったのか
いつもなら近寄りもしなかったのに…
ちょいちょいっとチューニングし音を確認する

「よし これでOKだと思う」
「おお ありがとうございます」
彼は素直な返事でお礼をいってくれた

「じゃあ 一曲聞かせてもらおうかな」

「何を歌おうかなぁ」
そうするとマナは
「じゃあオリジナルの曲があったら聞かせてほしいなぁ」
とリクエストをした
若者は少し照れながら
「え?いいんすか?オレ下手ですよ
あ でも最近一曲できたんでそれでよければ」

マナは目をキラキラさせながらウンウンと頷き
拍手を送った

「じゃあ 「コンクリートジャングルの真ん中で」ってのを…」

彼は一呼吸おいたあとにギターをジャーンと鳴らせ
演奏を始めた

コンクリートジャングルの
真ん中で僕は叫んだ
雑踏の中 振り返り一目みるが
足をとめない人々の中で 僕は叫んだ
この想いを誰かに伝えたくて
僕はここで生きている
僕は今を感じているんだ
この無関心な世の中での 儚い繋がり
容赦なく潰されていく才能達

誰かがいった
人はみんなこの世に生を持つことには
なにか意味があると…
僕には生まれたことに
どんな意味が
あるかわからないけど
この瞬間のために生きていたと信じて僕は叫んだ
コンクリートジャングルの真ん中で…

僕はここにいる


まだ荒削りな感じだったけど彼の歌声は歌詞はオレの中に響いた
この若者も心の中での不安と戦っているんだ
誰もがみんな オレだけじゃなくて…

「あはは なんかまだまだなんですけどね
聞いてくれてありがとうございます」

「すごーいうまかったよ」
マナはパチパチと拍手をして喜んでいる

「ねぇ 君 今楽しい?」
オレはマナみたいな感じで思わず彼に聞いてみた

「いやー楽しいです なんていうか歌っていいですよね」
純粋な顔をして照れながらもその瞳は真っ直ぐで迷いがない
昔の自分もこんな瞳をしていたのだろうか
オレは…今 どんな瞳してるんだろう…

「ねぇ お願いがあるんだけどオレにちょっとギター貸してくれないかな?」
若者は少し戸惑った顔をしてたけど
「オレに一曲歌わせてくれない?」
と言ったらなぜか貸してくれた

何を血迷ったのかマナの言葉に影響されたのか
おかしい
今日のオレおかしいな…

マナのほうをチラっとみて
「え と 約束守るよ」
とつぶやいた
さすがのマナも驚いた顔をしてた
「え う うん」

上着を脱ぎ 若者の隣に座った
「えーと こんなこというのもなんだけどオレは下手だからね」
ニコっと若者に笑いかけた

久しぶりのギターの感触
右手に握るピック
目をつぶり一回音を確認する

なにもかもが懐かしい感じだ
路地に座り そこから見える視点
人の流れ
空気
自分の空間が広がるのがわかる
少し緊張はするけどこの程よい緊張感が気持ちがいい
忘れかけた何かが思い出される
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©<コウ>_2017.(RSS/管理/提供: AL2)
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