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アンダーグラウンド第三章

アンダーグラウンド3-9-35

アンダーグラウンド 第3章-9-35

突き抜けるような強烈な衝撃を受けたような気がした。
はじめ一体何が起こったのかわからなかった。
そして左上腕に視線を移すと同時に脳がそれがなんなのかを即察知し秀樹の全身に「痛み」の情報が高速で駆け巡った。

「ぐああああああああ」

撃たれた…。この今ある瞬間まで秀樹は撃たれたことがない。初めて知る未知の痛みに思わず耐えられずに声がでてしまった。
左腕から生暖かい血が噴出す。即座に腕を抑え秀樹は物陰へと身を隠した。
全ての情報が全身に行き渡った後 撃たれた箇所は急激に体温が上昇する。
数秒前まで呼吸は正常だったが たった一発の被弾でそれは荒い吐息へと変わっていった。

テルはさっき殺気を消した物影から姿を現し笑い声をあげる。
「あはははは だせーーーみっともねーなぁ。兄ちゃん、もしかしたら初めて撃たれた?
そのだせー声は相手に居場所を教えることになるって忠告しとくよぉ。オレ以外の相手にもね。」

痛みの情報が優先されて冷静になれない。
知らなければいけないことは沢山ある。テルが言うドッペルゲンガーという意味。
突然消えたかと思えば背後から現れたこと。
はぁはぁはぁ…なんて様だ…このオレが…。
少しでも冷静になるように呼吸を整えようとするが左腕の痛みに集中してしまう。

「でも兄ちゃん。びっくりしたよ。オレ完全に殺ったと思ったのにさぁ。いい反射神経してるね。
あ…でもなんか叫び声とかあげちゃって上層のゴミと同じみたいでダサいから減点だなぁ。」

テルは余裕綽々で物陰から秀樹が隠れる物陰に近寄っていく。

このオレがあの上層のゴミどもと同じだって…。
クソ嫌になってくるぜ。この中層に来てからいいとこなさすぎる。
呼吸を鼻ですることにし無理矢理に体勢を整える秀樹。
痛みは消えるわけがないが近寄ってくる前になんとか考えださないと「痛み」すら感じることができなくなってしまう。幸い弾は貫通し急所に至ってはいない。
服を破り左腕に巻きつける。
とにかく今は痛みを少しでも忘れるんだ。そして考えろ。
ドッペルゲンガーの種を…。
漫画でもないかぎり瞬間移動などできるわけがないんだ。

秀樹のドッペルゲンガーについての考察を瞬間的にはじめた。

ドッペルゲンガー(Doppelgänger)
ドイツ語でドッペルは英語でダブルと同じ意味。
「生きている人間の霊的な生き写し。」

つまり自分の分身というかもう一人の自分ってことだろ?
そしてそれを見た本人は死ぬっていうこと。
芥川龍之介やアメリカ16代大統領のリンカーンもそれを体験したらしくその後死去した。

ちょっと待て…見た人間どころかオレのほうがヤバイっていうことが納得できない。
しかし科学的解釈だと脳機能が患っている患者がみることがある。
つまり死期が近いってことで「ドッペルゲンガーを見たものは死ぬ」って言われてるんだよな。

秀樹は自分の知識内で可能な限り脳内から情報を引き出す。
しかし決定する答えが見つからない。
壁の向こうから近寄ってくるテルに警戒しながら辺りを見回す。
せめて自分のハンティングポイントまで誘導できれば…。
秀樹が昼間に仕掛けたトラップゾーンまでの距離は今いる場所より少し離れている。
このままじゃヤバイ。
テルはもう勝った気でいるらしく笑いながら
「もうー兄ちゃん いつまでそこに隠れているんだい?どうせオレのドッペルゲンガーからは逃げれないよ。例えばね こうやって…」
そういうと再び気配が消える。

気配を消そうが消せまいが漫画じゃあるまいし物陰越しからは位置まで把握できない。
壁に背を向けているために背後からの出現はないだろうが
もしかしたらそぉっと近寄ってきてるだけかもしれないから物陰越しからも視線が離せない。

痛みを忘れ 今は集中するんだ。
静寂と化した空間から秀樹は殺気のみを察知しようと集中する。
痛みのせいで精度は30%減だがここでやられるわけにはいかない。

そしてその次の瞬間にわずかな殺気を察知した。
自分の物陰の向こう側にいたと思われるテルは秀樹からみて左斜め前から殺気を感じた。
秀樹は銃をありったけの撃ちつけた。
そしてそこから一目散に場所を変え転がりながら再び隠れた。

はぁはぁ 一発くらい当たってれば…。
右手でポケットにしまった予備のマガジンを足で固定し再装填した。
それと同時に背後からテルの気配が現れた。

「もう逆にいるのか…!!」

テルのいる方向に振り返り銃を構えると
「残念こっちじゃないよ」
と声をあげた。再び構えた方向とは逆に殺気を感じ瞬時のところでよけきった。

「どうなってるんだ!」

声と気配と逆の方向からの殺気。
今のは幸運だった夜というシチュエーションもあってどうにかよけきれたが
次はよけきれる自信がない。
左腕からは容赦なく流れでる血液。これ以上流れると思考にまで影響する。
吐息を荒げながらも秀樹は一つの仮説をたててみた。
あくまで常識的な範囲での仮説。だとしたらそれが恐らく正しいのではないか?
秀樹はそれを立証するためにあえて狙われやすいところへと移動をすることにした。
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