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アンダーグラウンド第三章

アンダーグラウンド第三章-16-42

アンダーグラウンド第三章-16-42
<鳴神 信也>

しばらくすると「どうぞ」と声をかけられ秀樹は診療室へ入っていった。
中に入ると先ほどの術衣から白衣へと着替えた鳴神がいた。
短髪で眼鏡をかけ知的な雰囲気を醸し出している。
タバコに火を吹かしながら鳴神は足を組み椅子に座っていた。
「じゃあ後はまかせたからな」とユウジは鳴神に伝え診療室から出て行った。
「おい 大丈夫なのかよ?」
振り返り尋ねると「一応医者だから客には治療してくれるから大丈夫だ。」と言い扉を閉めた。

改めて鳴神を見ると確かに医者独特の雰囲気を持っている。
しかしそれだけではないような…医者とは違うアングラ特有の何かを感じた。

「とりあえず座りたまえ。」
「ああ…。」
秀樹は鳴神の挙動に気をつけながら椅子に腰をおろした。
「そう警戒しなくてもいい。私は正真正銘医者だ。
客にはこれでも面倒見がいい。」
そう言われて素直に「ウン」と言えるわけがない。
警戒を解くことなく秀樹は辺りを見回した。

診療室は特に変わった様子もなく待合室と同じく病院独特の感じだった。ただ一つだけ気になったのが奥のほうにある「実験室」というプレートが気になった。

「実験室が気になるのかい?」
秀樹の視線に気付いたのか鳴神は微笑しながら実験室に首を向けた。

「いやなんとなく手術室じゃなくて実験室って病院じゃないから」
「あそこは君にはまだ知る必要ないがない場所だ。
君が「料金」として来ない限りはね。」

「料金?」
相変わらずアングラの住人はよくわからないことを言う。
ここでの通貨的なものはポイントじゃないのか?

「そうだね。「料金」についてまずは教えよう。
自己紹介もかねて。治療はそれからでも遅くあるまい。
私の名前は鳴神 信也。医者だ。それ以上でもそれ以下でもない。
呼び方は自由でいい。」
声に上下はなく淡々とした口調で話し続ける。
簡単な自己紹介をした後 早々に本題へ。

「さて、ここでのシステムを簡単に説明する。
ここでの治療には一切「ポイント」は必要ない。
私が君からもらう代価はただ一つ「生きた人間」を持ってくること。
それがここでの「料金」だ。」

「生きた人間?」
「そう。傷の大小問わず私は「生きた人間」を一人提供してもらえれば最善を尽くそう。」

おかしな人間が多いとは思っていたが鳴神も相当おかしなことを言う。

「なぜ生きた人間を?」
そう問うと不敵な笑みを浮かべ
「医学の進歩のために切り刻むためだ。」
と何の躊躇もなく即答した。

「私はね、こう見えて人を救いたくてしょうがないのだよ。
ただ何かを救うということは犠牲はつきものだ。
私は殺しなどに興味はない。世界中の人間を救うためにはしょうがないとは思わないか?」

「…エゴだな。」

「エゴ?君達みたいな非生産的な殺しをしてる人間には言われたくないな。
外界にいる時もわかってもらえなかったよ。
ここ数年で開発した新薬や病原菌の解明等を発表し絶大な効果と評価を得たが
「生きている健常な人間」を使っていたことが判るや否やバカ共は手の平を返し「非道」「鬼畜」など罵り私を学会から追放した。
おまけに犯罪者扱いだ。私の新薬や発見がなかったらもしかしたら君達はもう死んでいたかもしれないのに。」

口調は相変わらずだがよく話すこの男。
ユウジが嫌う理由が少しわかる気がする。
正直鬱陶しい。

「あっそう。だからアングラに来たわけだ。
はっきり言って俺達と変わらないな。ただアンタは「医療」という大義名分を掲げ殺したいだけだろ?それじゃどっかの国の「正義」という名の大量殺戮と同じじゃん。」

その言葉に少しカチンときたらしく
「…やはり高嶺 ユウジが連れてきた人間か…。バカばかりだ…。」
ふぅっとため息をつき熱が急激に冷めたように見えた。

「…少しはわかると思ったがもういい。話しも脱線した。
とにかく君が「今ここに居る」ということは数々の犠牲の上で成り立ってるということは確かだ。
傷を負った君が「生きる」ために「健常な人間」が私の実験体になる。
今回は高嶺ユウジのストックした人間を使うがね。
今後君も私の治療を受けたいならストックすることだ。」

©<コウ>_2018.(RSS/管理/提供:AL2)
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