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アンダーグラウンド第三章

アンダーグラウンド第三章-17-43

アンダーグラウンド第三章-17-43
<鳴神 信也>

先ほどから鳴神は「生きる」という言葉を連呼している。
何故それほどまでに「生きる」という言葉にこだわるのか秀樹は治療を受けながら尋ねてみた。

「私は「生きる」ということはあらゆる犠牲の上で成り立ってると思っている。
数え切れない「死」の上で今の自分がいること。
普通はそこまで考えないがね…。生きているのが「普通」だと思っているのが不思議でならない。
「生きる」ということが実は常にまとわりつく「死」と隣り合わせだとわかっていない人間の多さに少々愕然としている。そう考えるとこのアングラは私の中の「真実」に近い。
外界の人間は「生きる」ために異種なら平気で殺す。
つまり人間以外の生物。
私が人間を実験体で使うのが異質という人間の方が多いと思うが
私からすればスーパーに並ぶ精肉売場の光景も異質にしか見えない。」

どうやらこの鳴神信也という男 無口そうだが一回口を開くと止まらない性質らしい。
今後奴に尋ねるのは極力避けようと思った。
興味がなさそうな顔をしていても治療を続けながら淡々と語る。
しかし話しながらもその治療の正確には一目置ける。
聞いているだけで疲れてくるが鳴神はお構いなしに話し続けた。

「同族を殺すことが犯罪で異種を殺すことは普通。
それは「生きる」ためだから仕方がない。
だとしたら私を追放し犯罪者のレッテルを貼ることもおかしいと思うわけだ。
私の殺しは人間が「生きる」ために仕方がない行動だと。
つまり何故ここが「真実」に近いかと言えば
ここでは「生きる」ために同族を殺す。
これほど純粋な世界はないと私は思うわけだ。
外界の歪んだ人間よりもここの住人は本能でわかっている。
私の勝手な解釈だが「命」の重さを何よりも認知してると…。」

眠くなりそうな内容だったが少しだけ共感はできた。
はっきりいってこの男の解釈には勘違いも甚だしいが
オレが今 ここにいれる理由はアングラで殺し続けてきた結果。
そして「生きる」ことに少しでも手を抜けば確実に消される。
そう考えると知らず知らずに「今を生きる」というか
「一生懸命」という言葉がしっくりくるのかもしれないな…。
外界の人間のように「なんとなく生きている」という腐った考えより数倍マシなのかもしれないと思ったのは確かだった。

この鳴神との会話が後の秀樹の心理に大きく影響することになる。


©<コウ>_2017.(RSS/管理/提供: AL2)
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