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アンダーグラウンド第三章

アンダーグラウンド第三章-21-47

アンダーグラウンド第三章-21-47
<鳴神 信也>

真咲 京に連れられ中層ベルトラインに来て早二週間超経過。
上層にいた頃よりも人との接触率が高くなってきている気がする。
相変わらず静かながらも日々「命」は確実に削られモバイルから届く死亡人数は変わらず。
そしてそれと比例するかのようにスカウトによる「ルーキー」の追加も送信されてくる。

ここに住む住人達がいかに「生」に必死なのかがよくわかる。
コンテニューが効かない。
たった一度の失敗が「死」へと繋がること。
「後悔」=「死」
このシンプルな構図が「生」というリアルを演出している気がする。

上層とは違い「殺すことのみに」快楽を求める連中とは違い
ここでは「生きる」ために「殺す」。
「人殺し」がいけないことなんて本当はわかってる。
それでも自分はここでしか生きていけない。
この殺伐とした空間でのみ自分の存在価値や才能が発揮できる。
確かに一般的に観たら狂った空間だと思う。
それでも今はこの空間に…アングラに感謝したいと思っている。

撃たれた傷も順調に癒え、日々前線へと足を踏み入れ様々な人間と出会っては戦い葬ってきた。
そして今日まで生き残っている。

こんなこといってはなんだが「充実」している。
一日一日が重い。
確かにまだ中心地「シティ」へは踏み入れるほどの実力はないかもしれない。
まだ郊外の一角での命のやりとり。
それでもオレは少しずつ成長していることが実感できている。
二週間前とは別人になれたような…そんな気がした。

そんな一日のオワリには「カーズ」へと向かい
高嶺 ユウジとともに酒を飲む。
まさかこのオレが人と接することがあるなんて自分自身でも信じられないが
ユウジの考えには共感できた。
もちろん全てを「信頼」しているわけがない。
ただ今のところ利害が一致している。
だからつるむ。余計な気遣いなどいらない。

「利用できそうだからな」

一見薄情に見えるユウジの言葉だがオレにとっては
こういう考えのほうが気持ちがよく、ある意味「信頼」できる。

簡単な例えが特にやりたいと思ってない仕事の動機に
「御社の社風がなんたらかんたらで…」といったような思ってもない言葉よりも
「金が欲しいから。給料がいいから。」
と答えたほうがよほど「信頼」できる人材だと思う。
「報酬」を与えている限りその人間は決して裏切らないのだから。


今はとにかくこのアングラで自分の力をつけ、早くユウジと同じ実力になり対等に戦えるくらいにならなければならない。
「生かされている」という状況だけはなんとかしたい。
わかっているいるだけで今のところ自分以上の実力を持った人間は13人。
真咲 京含むスカウトの12人にユウジ。

焦らずゆっくりともいってられない。
なぜなら明日誰かに殺されるのかもしれないのだから…。

ここで殺されるなら本望だがまだ死ぬわけにはいかない。
とにかく今は目の前の目標を少しずつクリアしていくことを先決しようと思う。

そんなわけで現在オレは鳴神医院周辺にいる。
先日 鳴神に頼まれた依頼をこなしてみようと思った。
ユウジには「やめとけ」と言われたが「うん わかった」など言うわけもなく
ここでこの依頼を完遂してユウジを見返してやりたいと思った。

上空には満月が光り輝いている。
そしてこの日はなぜか気配をあまり感じない。
多少不気味ではあるが身を潜め敵の出現を待った。

しばらくすると通路奥からカツンカツンと足音が聞こえた。
気配を消す仕草もなく堂々と歩いてくる。
「なんだ…この素人まるだしな感覚は…。一般人か?」

自分の射程範囲に入った瞬間物陰から飛び出した。

「おや…。これはこれは宮園君じゃないか。」

堂々と歩いてきた男は白衣を着た鳴神 信也だった。



©<コウ>_2017.(RSS/管理/提供: AL2)
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