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アンダーグラウンド第三章

アンダーグラウンド第三章-23-49

アンダーグラウンド第三章-23-49
<鳴神 信也>

神経を集中させ叫び声の先に注意を促す。
敵は叫び声が聞こえる瞬間まで殺意を感じさせない。
かなりの腕の持ち主に違いない。
鳴神医院付近は中心部に近い位置にあるためにトップクラスの者との対峙も考えられる。
今の自分の腕で対応できるかどうかわからないがやるだけのことはやってみなくては…
秀樹は気を引き締めゆっくりと近寄っていった。
しかし空気が読めないのか、状況がわかってないのか
ゆっくり忍び寄っている秀樹に対し鳴神は「遅い」と一言いい
秀樹の手前をスタスタと足音を立てながら進んでいった。

思わず秀樹は「ちょっと待て バカ!」と大声で叫んでしまった。
それに対し逆に鳴神から「静かに」と言われる始末。

クソ!偶然とはいえついてない…。
どうしてあのバカと出会ってしまったんだ。
あいつと一緒じゃ命がいくつあっても足りない。
ましてや守りながらなんて…
ん?守る?
誰が誰を?
久しくつかっていなかった単語に対し秀樹は自分に疑問を投げかけた。
そして確認するかのように

ここはアングラ…誰も信用してはならない場所
自分の命のみ守ればいい場所

なのに…今 オレなんて思ったんだ…?
自分の中にまだ人間らしい「守る」といった気持ちがあることに
少々戸惑う秀樹。

いや、違う。ただあいつがこの世界唯一の医者だからなんだ。
あいつが医者じゃなければこっちがとっくに殺しているはず。

もし、あいつの身に危険が迫っても守る必要などないんだ。
自分のことを最優先に考えて行動すればいい。

わずかに思った疑問をねじ伏せ秀樹は鳴神を追いかけた。
通路の曲がり角には真っ赤に染まった死体が転がっている。
そこに鳴神はしゃがみこみどうやら検死をしているようだ。

「死んでるのか?」
「うん。死んでるね。しかも急所に一撃だ。なかなか綺麗に刺し殺したみたいだな。」
死体を見る鳴神はさきほどとは別人のように医者の顔をしている。
「でも相手も結構な傷を負っているっぽいな。」
鳴神は通路の先から見える血痕を指差した。

「出血量から見て相手も長くなさそうだ。相打ちか…。
どれ、死体がもう一体転がってないか見てくるかな。」

鳴神を腰を上げスタスタとその血痕を辿って歩き始めた。

「ほら、宮園君。早く早く」
チョイチョイっと手招きした。
「は?」

「私は医者であって殺人鬼ではない。何かあっては困るだろう
はっきりいって私はプロではないからな。」

「おい…自己中もいい加減にしとけよ。」
と言いつつ着いていってしまう秀樹。
知らないうちに秀樹の中の心は少しずつ変わっているのかもしれない。

外界での価値観の違う人間とは違い
アングラの住人は自分の価値観に近いものを持ってることに
共感し惹かれどこかで認めているのかもしれない。

©<コウ>_2018.(RSS/管理/提供:AL2)
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